花と緑のワンポイントアドバイス

農薬、これだけは知っておこう

農薬にはいろいろな目的に合った物がありますが、ここでは殺菌剤と殺虫剤についてご紹介します。これらは毒性の強さによって、普通物・毒物・劇薬などの指定がつけられています。
一般家庭で使用するのであれば、毒性の最も低い普通物を選ぶことをおすすめします。

■薬剤使用上の注意

薬剤や水の量は正確にはかろう

農薬は濃くすればよく効くというものではありません。逆に葉や新芽が枯れるなどの薬害が出ることがあるので、必ず薬剤に適した希釈濃度(薄める濃度)を守ることが大切です。

  • 水をはかる時には牛乳びんやビールびん、ペットボトルなど、容量のわかるものが便利です。
  • 薬剤をはかる時には、目盛りのついた計量用の容器や針なしの注射器、軽量はかりなどを使って正確にはかりましょう。

1Lの散布液を作る

希釈倍数 1Lの水に加える量
水和剤 乳剤・液剤
250倍
4g
4cc
500倍
2g
2cc
1000倍
1g
1cc
2000倍
0.5g
0.5cc

薬剤散布にはこんな注意が必要

天気を選ぶ・・・
日中になると、風が吹きやすいので、できるだけ風の少ない朝のうちに行いましょう。その際、体に薬剤がかからないよう風上から散布すること。風の強い日には薬剤が付着しにくいうえ、あたりに飛び散って危険なのでやめましょう。
服装に気を配る・・・
どんなに低毒性の薬剤でもやはり毒なので、直接体に触れないように気をつける必要があります。薬をはかったり、散布後の道具を洗う際にも必ずゴム手袋をはめるなどして万全の服装で行ってください。
隣近所に連絡を・・・
空中には壁がありません。薬剤が風に乗って洗たく物や子どものおもちゃ、ペットなどにかかったら危険です。薬剤散布前後は、必ず隣近所にひと声かけるのがエチケットです。

薬剤散布が終わったら

一度水に溶かした薬剤は保存できません。使い残しの薬剤は土に穴を掘って流し込んでください。下水溝や川には絶対に流さないでください。使用した道具を洗った水も同様に処理しましょう。
封を切ってしまった薬剤は完全に封をし直してから、日光が当たらない涼しい場所に保管しましょう。また事故防止のためにも、子どもの手が届かないように、かぎをかけるなど、細心の注意を払ってください。

■薬剤いろいろ

薬剤抵抗性について

いつも使ってよく効いていた薬の効き目がだんだん弱くなり、効かなくなってしまうことがあります。
これは薬剤抵抗性がついてしまった結果です。同じ薬剤、似ている薬剤を続けて散布すると起こりやすく、一度抵抗性を持った病原菌や害虫の子孫にまで遺伝するため、その薬剤は役に立たなくなってしまいます。
薬剤抵抗性を防ぐには、薬剤散布を必要以上に行わない、同じ薬剤や似た薬剤を毎回使用しないなどの工夫が必要です。

薬剤名一覧表

  一般名 市販されている名称


キャプタン剤 F.G.キャプタン水和剤80・オーソサイド粉剤4・キャプタン水和剤80・キャプタン粉剤4
キノキサリン系剤 モレスタン水和剤・モレスタンFD10
ジネブ剤 ダイセン水和剤・ダイセン粉剤・ダイファー水和剤
チオファネートメチル剤 トップジンM水和剤・トップジンMゾル・トップジンM粉剤
ベノミル剤 ベンレート水和剤
マンゼブ剤 ジマンダイせン水和剤


アセフェート剤 オルトラン水和剤・オルトラン粉剤
MEP剤 スミチオン水和剤40・スミチオン乳剤・スミチオン乳剤50・スミチオン乳剤70・スミチオン粉剤2・
石灰硫黄合剤 石灰硫黄合剤・石灰硫黄合合剤(結晶)
除虫菊乳剤 除虫菊乳剤3・ピレオール
マシン油乳剤 アタックオイル・アルボ油・機械油乳剤95・高度マシン95・サンマーオイル・スケルシン95(特製)・スピンドロン乳剤・ハイマシン95・マシンゾール95・マシン油乳剤95
マラソン剤 マラソン乳剤・マラソン乳剤50・マラソン粉剤1.5・マラソン粉剤2・マラソン粉剤3

花と緑に関するご相談は「公益財団法人 大津市公園緑地協会」までお気軽にお尋ねください。
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